2012-12-18

Table designs for Hummer Cafe "Mix Tape"

 graphic painted table in Hummer Cafe


 graphic painted table "Mix Tape" in Hummer Cafe

昔むかし、誰も携帯を持ってなくて、待ち合わせが文字通り「待ち合わせ」で、好きな音楽をレンタルレコードからカセットテープにダビングして、オートリバースすげー!っていう時代。
「ミックステープ」っていう文化がありました。

いろんな曲をテーマにそって一つのカセットテープに収める。ただそれだけのことなんだけど、そのカセットを自称音楽通な仲間同士で交換したり、好きな人にあげたりするので、作った人のセンスや哲学を問われるものになります。流行っている曲ばかり集めるのなんて論外。あたかもミックステープが自己表現の場で、キャンバスとなる60分と90分テープにどれだけ自分の魂と哲学を込めれるか、そんな文化。(120分テープはすぐ延びるので使いませんでした)
(この文化は僕の大好きなニック・ホーンビーの小説「ハイフィディリティ」に詳しく描かれてます。映画もいいけどやっぱり小説のほうがおすすめ。)

そのカセットを通して「俺ってこんなマイナーなかっこいい曲を知ってるんだけど、いま流行ってる曲も押さえてる音楽通なんだぜ!」とか「ごりごりのメタルばっかりじゃなくて、壮大なバラードの良さもきちんと教えてあげるよ」とか、、、こっ恥ずかしいどうでもいい自分の論理の押しつけをたいていやってしまいます。女の子に「これはメタルじゃなくてハードロックだよ」とか言って渡したり、もらった方はすごい迷惑だったと思う。ここぞっていう時は「ハイポジ」にいれたり。

で、僕がよくやってたのは、B面っぽい曲をひたすら集めて、A面もB面もB面!みたいな。Bon Jovi で例えると誰でもしってるliving on a prayerとかwild in the streetを無視してLiving in sin とか。デフレパードだったらあえてヒステリアを外してSugar on meとか、Falcoは大ヒット曲のrock me amadeus をいれずにAmerica!とか、しまいにはAC/DCのいろんな曲のイントロのリフだけ繋ぐ、、、いま考えるとすごい代物を作ってたような。(で、そんなテープを喜んで聞いてくれたのがいまだにつるんでるマスター佐藤)

そんな会話をこのハマーカフェのテーブル越しにしてもらえたら、そんな気持ちを込めて作ってみました。