「荒木汰久治」from exhibition "Power spot / Power people"
Portrait of Takuji Araki, next day of 2011 Moloka'i Hoe at Pete house
ミスター「人間力」。オーシャンアスリートの荒木汰久治。www.arakitakuji.com
彼に誘われモロカイ島ーオアフ間で行われる世界中から屈強なウォーターマン達が集まるアウトリガーカヌーレースの撮影に行ってきました。レースだけではなく、モロカイ島の文化、発展し尽くしたオアフ島に原風景がのこるモロカイから人力で渡る意味なども紹介してもらいました。本来の豊かさをものすごく大切にし、無意味な観光業の発展を拒み、ヤシの木よりも高い建物がない時間が止まったようなモロカイ島から、発展したオアフ島へ。それは時間の旅でもある。発展を否定するわけではないです。もちろんこれだけの人口が暮らすには発展やテクノロジーはものすごく必要ですが、発展と引き換えに僕たちが喜んで手放してきた「人間力」。それがどんなものかを今一度考えてみる時ではないでしょうか?さらなる心を伴った発展をするためにも。汰久治さんとはそんな思いが共通項となり仲良くさせてもらってます。
この写真は2011年4月のモロカイレースの次の日に、オアフ島で僕たちが泊めてもらっていた、汰久治さんの友人でありホクレア号のメンバーでもあるピートの家の庭で撮りました。ものすごく過酷なレースを満身創痍で終えた荒木汰久治。次の日はさすがに動けないだろうからそっとしておこうと、一緒に行った翔太と僕でピートの家のまえからツーマンのカヌーを借りて海にでて遊んでいたところ、なんと汰久治さんもカヌーにのって合流してきました。正直ぶっとびました。昨日あれだけパドルしたのにまだ漕ぐんだ!と。
レースの間、ずっと伴走船から4時間半のあいだ全力でパドルしている汰久治さんを撮影してました。必死にパドルしている彼の背中をみて、彼がいつも言っているkeep paddlingの意味が明確にわかりました。ただレースにでることではなく、このレースにでるための生活環境作りや信念、夢、彼が世の中に伝えたいメッセージ、それらすべてがあの4時間半に体現されていました。
僕はいろんなプロアスリート達と交流させてもらってますが、汰久治さんのように、明確なビジョンとメッセージを持ち、それを自分の言葉で語り伝え、そして仲間と一緒に行動に移して行くようなプロは少ないですね。しかも一貫してぶれない。もうこの人とふれあってるだけで、スーパーポジティブなパワーを感じます。まさに動くパワースポット。汰久治さんがいるところがパワースポット。