2012-02-17

おっさん

先日、仕事仲間でもあり、友人でもある水口が住んでいるタイで亡くなった。ビルからの転落死らしい。
ほぼ確定らしいが、100%まだ確認がとれていないので信じたくないが。
実際にそんなにたくさんの時間を一緒にすごしたわけではないのに喪失感はものすごい。

水口太平という非常にかっこいい名前がありながら、あだ名が「おっさん」。
10年以上前はじめて会ったときから、本人も「おっさん」でいいよと。
なので、仲間内からはみんなにおっさんとよばれているおっさん。
あだ名のとおり20代の時から達観したかのように、落ち着いている。
ものすごくニュートラルで無欲でマイペース。
まだよくわからない野心でぎらぎらしてた20代前半の俺らのなかでも、おっさんだけはマイペース。
めんどくさがり屋で、食うもの、着るもの、無頓着。
よく見ると整った顔立ちでハンサムの部類にはいるんだろうけど、それを感じさせない、潔い自堕落。
けど楽しそうにいつもなんとなく目が笑ってる。
おっさんを思い出せっていうと、あの目だけ笑ってるゆるい顔がでてくる。
ものすごく自然体なので、人の懐にもふっと入ってくる。

はじめて会ったときもみんなでバカ話してたら、おっさんが「育三、おまえバカだな。」って。
初対面で呼び捨て&おまえ呼ばわり&バカだなって、普通だったら斬れるが、おっさんだと「そう、バカなんだよね」って笑いながら自然に答えられるくらい、いきなり友達になってた。
まあ、マスター経由で友達になった人は不思議と全員「会った瞬間生涯友達」だったけど。馬が合うって本当にあるのでしょう。達也も田尻も富田も飯田さんもそうだった。
ついこないだも田尻がタイに駐在きまって、「ゲストルーム絶対におっさん住みつくじゃん」って話たばかり。

そんな、おっさんはプログラム系システム系の仕事担当。パソコンと携帯があればどこでも仕事ができるので、ここ何年かタイに住んでいた。物価もやすく、気候もよく、なによりも多分リズムがゆるーい感じのおっさんに合ってたのだろう。
いつか、遊びにいこうと思ってたけど、行けずじまい。行こうと思ったらほんとに行かないとだめですね。

よく覚えてるのが、何年か前、うちの会社でバリに社員旅行にいったとき。社員旅行なのに全員バラバラ。それぞれがかってに好きな事を好きなようにやってる。マスターは釣り、俺はサーフィン、あとのみんなは何やってるのかわかんないけど、おっさんはきっとなんにもしないでゆるーくすごしてたんだろうな。そんな個人旅行者の集団だけど、なんの約束もしないでも自然と毎晩飯は毎日一緒に食べてた。待ち合わせ場所も時間も決めずに、一緒に食べようねとも、何にも決めてないのに。なんとなく自然に、これだけ趣味もペースも考え方も違うみんなが集まる。根っこで繋がってる感じがしていいなーって思ってたのを覚えてる。


合掌