A launching event of "Real Adventure Trip" SUP in Papua New Guinea
混雑とは無縁の大自然のなかで極上の波でサーフィンできるパプアニューギニア。
サーファーにとってはパラダイスのような場所。
サーフィンに最適な波がたつ「オンシーズン」は11月〜3月までの4〜5ヶ月。サーフィン観光親善大使として何度もこの地を訪れるうちに、波だけではないPNGの魅力をたくさん発見する。それは手つかずのジャングル、そこに住む自給自足のスタイルで住む村人たちの美しさ、奇麗な海、珍しい動植物etc,,
ただ残念なことにサーファーはサーフィンしに来てるのであまり波以外の美しいところに目がいかない人もいます。せっかくこんなユニークな場所に来てるのにちょっともったいないな、と。そして年の半分以上あるオフシーズンを使ってなにかできないかな?
そんなことを考えて思いついたのがSUPでPNGの大自然を堪能するリアルアドベンチャートリップ。
PNGの大自然の魅力を探索するのにはSUPは最適なツール、サーフィンとちがって誰でも気軽にできすぐに乗れるようになる。そしてサーフィンのオフシーズンの穏やかな海だからこそ幅広い人にも楽しんでもらえる。そんな「旅」を思いついてSTWと政府観光局に提案して去年から始動した「リアルアドベンチャートリップ」。
ジャングルの奥深くの村を訪れて村人たちと交流し僕が体感した究極の豊かさ「なにもないけど、すべてがある」感。そんな豊かさをみんなで体験/共有できる旅を目指しています。
特筆すべきは、パプアニューギニアの持続可能な観光業。
外国の資本を投入し現地の資源を切り売りして、莫大な利益をあげているのにも関わらず現地の人々にはなにも還元していない持続不可能な観光地が世界中には多々あります。なぜ「持続不可能」かというと本来観光客を魅了しているその土地の奇麗な自然や人々の文化/暮らしが観光によってすこしづつ奪われてしまうからです。
たとえば、奇麗な小さな村のある景色のいい美しいビーチがあり、そこを気にいった外国の大会社が200人くらい宿泊できる規模のホテルを作ったとしましょう。美しい自然と奇麗な村がうりのリゾート地です。200人のゲストが食事をしたり、遊んだりする施設も沢山つくります。
もちろんその村人だけではとても200人のゲストをもてなせないので、他の地域からも出稼ぎに来ます。
ホテルがフル稼働している間はいいですが、忙しいときもあれば暇なときもあり、観光客がすくない暇なときには出稼ぎに来た人は仕事にあぶれます。そんなときに仕事にあぶれた出稼ぎの人達は盗みをしたり、ドラッグを売ったり、売春をしたりと変なことをしはじめちゃいます。それが「終わりの始まり」。もともと自分の土地ではないので出稼ぎ組もやりたい放題です。気がつくと奇麗な小さな村はもうなくなり、「景色のいいビーチ」も「どこにでもあるビーチ」になってしまう。まあ乱暴な説明ですがだいたいの観光地でおこっていることを端的に言ってしまえばそんなかんじになります。
そこでパプアニューギニアの持続可能な観光業とは?
「自分の村で受け入れられる人数以上の施設を作らない」「利益はきちんとローカルでシェアする」。
その村で無理せずに受け入れられる観光客の人数が10人だったら10人以上の人が泊れる施設を作らない。そうすれば出稼ぎに頼る必要もないし、自分たちの生活のリズムも壊されないし、たかだか10人来たところで自然も破壊されない。
そしてその地を訪れる人達はいつまでもその土地と人の変わらぬ魅力を楽しめる。
と同時に、サーフィンを楽しめる波やSUPを楽しめる奇麗なロケーションを、天然ガスやレアメタルとおなじレベルで国の資源として考え、慎重に大切に開発してく。
シンプルですがいざ実行しようと思うと難しいと思います。
27年間かけて国中を駆け巡りこのアイデアをいろんな村に伝え行動にうつしてこの持続可能な観光業を形にしてきた政府観光局のボードメンバーでありPNGサーフィン協会会長の熱い男アンディー アベル。
彼の情熱と努力と行動のおかげで日本からもここ何年かでパプアニューギニアへのサーフトリップがポピュラーになり冒頭のリアルアドベンチャートリップも開催することができるようになったわけです。
前置きが非常に長くなったけど、そんなパプアニューギニアの観光業のあり方と、リアルアドベンチャートリップを紹介するイベントを昨日の夜原宿のWIRED Cafeで行いました。
メディアの方、SUP関係者、旅行会社やアウトドア関連のメーカーの方から一般の方まで沢山の方々に来ていただき本当にありがとうございました。いろんな方々に出会えることができ非常に楽しい時間となりました。
これからもPNGへのサーフトリップや、リアルアドベンチャートリップを通じて沢山の人と最高な旅を共有し、それが参加してくれた人の人生にすこしでもプラスになってもらえればと思っています。
コンクリートジャングルを抜け出して本物のジャングルに一緒に旅に行きましょう!
イベントの為にPNGから来日してくれたアンディー・アベル氏
彼の実行しいる持続可能な観光マネージメントプランは現在いろんな国から興味をもたれ、世界中の大学などで講義をしています。来週もロンドンの大学で講義をする予定らしいです。
今日はコンクリートジャングルでマット叔父さんとお茶。
two roomsのテラス気持ちいいです