2012-09-08

Car2 "The Castle" Crystal Parade Huis Ten Bosch



Sketch for "The Castle" Crystal Parade in Huis Ten Bosch

The Castle in the first parade on 9.1.2012

このスケッチが3ヶ月後にこうなりました。感動です。
気が遠くなるほどたくさんのラインストーンを貼付けてくれた職人の方々、バイトのみなさん本当におつかれさまでした。

昔(約20年くらい前)、僕は映画やCMのセットを作ったりするある美術工房でバイトしてました。
そこがまたハードコアなところで、物作りが得意で手先が器用な僕は意気揚々と作業場にいきましたが、秒殺でこてんぱんにやられました。
まず誰もなにも教えてくれない、聞くと機嫌が悪く怖い、かといってぼーっとしてると怒鳴られる。見よう見まねで他の若い人を観察して真似をしてみる。下っ端の人は何をしてるかというと職人さんのそばでアシスタントをしている。で、僕も作業している職人さんの後ろに立っていて何か手伝おうとするのだけど、聞いて教えてくれそうもないおじちゃん。なんか手伝おうとしても邪魔者扱い。なのでよく観察してこの人は次に何をするのだろう?と推測して必要そうなものを準備したりしても、見当違いだったりするわけで鼻で笑われる。無視される。叩かれる。
それを繰り返しているうちになんとなーく手伝えるようになり、なんとなーく存在を認めてもらって、「おい、そこやっておいて」といわれるようになる。

そんな日々のなか、たまに殺伐としたセットの現場におしゃれなデザイナー先生(もう雲の上っぽい存在)がさっそうと現れみんなの制作具合をチェックして指示をだしていったりするわけですが、そんな普通なことでも田舎からぽっと出てきた若造の目にはかっこ良く映ります。こんな大きなセットをデザインするなんてすげーなー、いいなーあーなりてーなー、と。
そして、このデザイナー先生たちの中には僕みたいな若造にも「おつかれ、ありがとうね。いい感じにできてるね」とか声をかけてくれる人がいました。これは結構うれしく、よっしゃーこいつのためにいいもの作るか!と気合いがはいってがんばったのを覚えてます。(もちろん空回りして変なふうになっちゃっいましたが)

それから時が経って、気がついたら実際に現場をチェックしにいくデザイナーになっちゃったわけですが、ラインストーンを城に一生懸命貼っているみなさんの背中を見ながらそんなことを思い出しました。
そんなこんなで、僕も現場では作業しているひとに心から「どうだ!さっそうとあらわれたデザイナー先生だぞ。憧れてくれ〜!」、、、とは言わず(冗談です)、「お疲れさまです。ありがとうございます」と伝えます。本当に心を込めて。
とにかく華やかなこのパレードの裏にはたくさんのたくさんの人の汗と汗の結晶が詰まってます。
猛暑のなか作業していただいた方々ありがとうございました。おかげさまで子供達が目を輝かせて見入るこんな素敵なパレードになりました。