2013-02-04

Rockin' original hand made wood frame



Uta Arai 's potrait in Original hand made wood frame    900x755mm


僕は顔のシワをへんな若作り化粧でごまかしたり隠したりするより、自分の生き方(歳の取り方)が刻まれているシワを気にしないで堂々としている人の方が美しいと思う。男も女も。
死があるからこそ生が尊いわけで、死に近づいて行く「老い」「エイジング」を隠したり恥じたりするのは「生きていない」証拠だと思う。おもいっきり自分らしく「生きて」いればその証である「老い」もきちんと受け入れて誇りに思えるんじゃないかな。そんな歳の取り方をしたい。アンチエイジングよりもポジティブエイジング。

古材や廃材を使った物作りでも、素材の傷や汚れ、ヒビなどを隠したりキレイにしたりするのではなく、あえて隠さず時には目立たせたりして、その物がいままで過ごしてきた歴史や重みとして魅せるようにしてます。
(もちろんカビとか匂いとか衛生的な物はキレイにしてます。)
この海太氏のポートレイトの額縁もやはり僕の得意な古材の歴史を最大限活かすような手法で作りました。

 海太氏の母親のミヅキさんが結構ロックな人なので、フレームをちょっとロックテイストなザラザラした無骨な感じにして海太氏の肌のつるつる感とのコントラストを楽しめるような作品にしました。

この木材、実は僕が20年ほどまえ美大生のときにキャンバスを貼っていた木枠。最近はキャンバスは使ってないので捨てようかなと思ったけど、よく見るとなんどもなんどもキャンバスを張り替える時に器具が当たって凹む傷跡が沢山あっていいかんじ。張り替えた分だけ沢山の作品を支えてきた木枠。ちっぽけだけど思い入れ深い歴史がつまってるので何かに再利用しようと思ってとっておいたのです。そして木枠についた無数の凹み傷ををサンディングで消すのではなくオイルステインで目立たせて模様のようにしました。

さらにドリッピングとステンシルでRockin'な感じにして、あとはもう、ひたすらオイルステインーサンディングーワックスの繰り返しで深い色に仕上げました。

海太氏の1歳の記念にお母さんからのオーダーで作ったこの作品、将来海太氏はこれをみて何を感じるのでしょうね。